大好きなのにもう手に入らないモノ。そんなモノの代表格がハーベストレーベル(HARVEST LABEL)の鞄だろう。それも、現行品ではなく、山口幸一氏がデザインしたモデル(通称山口カバン)に限る話だが。
このフライヤーズのブリーフバッグは、同じ山口カバン好きの友人から「ヤフオクにいいのが出品されてますよ」って教えてもらって速攻で落札したモノ。初めて買ったハーベストレーベルのブリーフバッグだったけど、圧倒的なデザイン&クオリティに一発でやられてしまった。
ハーベストレーベルは、鞄デザイナーの山口幸一氏が1995年に立ち上げたクオリティとスペックを重視したミリタリーなブランド。山口氏は知る人ぞ知る日本の鞄デザイナーで、あの吉田カバンでポーター(PORTER)やラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL) などのブランドを立ち上げた御仁。あの吉田カバンを代表するタンカー(TANKER)も山口氏のデザインである。もはや神。
山口カバンについては、Facebookに山口幸一公認ファンページがあるので一読推奨。山口カバンのコレクションはもちろん、マニアックなうんちくまでファン必見の情報盛りだくさんでかなり楽しめる。でもここ何年か山口さん体調不良で更新が途絶えてたんだけど、最近また復活したみたいで一安心している。
コシのある生地はマッコイズ製。
で、このフライヤーズのブリーフバッグ。生地はザ・リアルマッコイズから提供されたもので、さすがマッコイズ製だけにハリとコシが違う。この艶と滑らかさ。触ってるだけでニヤニヤしてしまう…。
まさに昔着ていたマッコイズのMA-1の生地感と同じで懐かしさすら感じるなあ。ちなみに、現行モデルの生地はマッコイズ製じゃないらしい。山口カバン好きの人から聞いた話で山口氏本人がそう言っていたんだとか。まあ仕方ないよなー。
豊富なポケットで抜群の収納力。
ポケットもたくさんあって使い勝手は抜群。特に前面の斜めジッパーの便利さは驚愕ものだ。定期やカードなど小物を無理なくさくっと収納できる。前面下にある2つのバックルも大きくしっかりしたパーツで、デザインとしても効いててじつに好ましい。
バックルを外して前面をおおうフラップを開くとメイン収納へアクセスできる。前面にも小さなポケットが迫力のジップとともに鎮座。ペンホルダーもあって収納力は必要十分。メイン収納はコンパクトだけどノートパソコンなら余裕で入る。最低限必要なモノだけ入れてスマートに持ち歩きたいな。
ファスナーはコンマー社製。
縫製も半端なくて、ミリタリーでそのまま使えそうなレベル。さらに、ファスナー(ジッパー)がコンマー社製というコダワリぐあい。ぱっと見で存在感抜群。引っ張るとガシガシと開閉する、決してスムーズではないこの頑強さがたまらない。しばらく使ってると馴染んでくるのがまた可愛いくてとか思ってる俺はもう病気かもしれないw
ちなみに、ハーベストのファスナーの遍歴は、最初のモデルがスコービル社製で、次がコンマー社製。最終的にハーベストのオリジナルという流れらしい。使い勝手やコストの問題でそうなったんだろうけど、やっぱりスコービルやコンマーのファスナーは雰囲気が抜群なんだよなー。
「KOICHI YAMAGUCHI」のネーム入りタグ。
そして肝心の「KOICHI YAMAGUCHI」のネーム入りタグ。このネームこそ山口氏デザインの証。ネーム無しは山口氏が関わってない時期のモノになるので、山口カバン狙いで探すなら重要かつ外せないポイントなのだ。
山口カバンのハーベストレーベルは、MA-1の素材を活かしたミリタリーテイストな究極の鞄作りを目指した高いクオリティとスペックはマニアックかつ至高だと思う。正直、ポーターと比べるなんておこがましいくらいに圧倒的なのだ。ほんとに。
がしかし!そのコダワリゆえに価格が高くなり商業的成功を収められず、2004年に山口氏もハーベストから離れてしまったという悲しい歴史もあり。
その後、「ウェルド(WELD)」や「アウト・オブ・ザ・ブルー(OUT OF THE BLUE)」などのブランドを立ち上げたりしてるけどいずれも短命に終わり、最新ブランド「スティールバッファロー(Steel Buffalo)」を展開してたけど、今となってはそれも休止という…。
でも、どのブランドの鞄もたまらなく最高なのは変わらない。
今、ハーベストレーベルの山口カバンを手に入れるならヤフオクやメルカリで探すしかない。でも15年以上前のモノだから、状態のいいモノがなかなか出てこないのが悩ましい。なので、ひたすらメルカリとヤフオクを巡る日々だけどこれがまた楽しいとか思ってる俺はやっぱり病気なんだと思うw